カレンダーの印象は“紙”で決まる

── コート紙・マット紙・上質紙、それぞれの特徴と選び方
カレンダーを見たときに「きれいだな」「上品だな」と感じる印象――。
実はその多くは、デザインよりも“紙質”によって左右されています。
同じレイアウトや色使いでも、どんな紙を使うかで雰囲気は大きく変わります。
印刷物において紙は、見た目の印象だけでなく、使い心地や耐久性、さらには企業のイメージまでを左右する重要な要素なのです。
まず、コート紙。
表面に光沢のある塗工が施されており、写真の発色や色の再現性が非常に高いのが特徴です。
鮮やかでシャープな仕上がりは、商品写真や風景写真を使ったカレンダーにぴったり。
ツヤのある表面が高級感を生み、ブランドイメージをしっかり伝えることができます。
ホテルや不動産、メーカーなど、品格を重視する企業が多く採用しています。
ただし、ツルツルした質感のため筆記にはやや不向き。
「見ることを楽しむカレンダー」に最適な紙といえるでしょう。
次に、マット紙。
光沢を抑えたやさしい質感で、上品さと落ち着きのある印象を与えます。
反射が少ないため、照明の下でも見やすく、視認性に優れているのが魅力です。
発色はコート紙ほど強くありませんが、ナチュラルで温かみのある色調に仕上がります。
さらに、コート紙よりも筆記性が高いため、予定を書き込みたいカレンダーやデザイン重視の企業におすすめです。
「美しさ」と「実用性」のバランスを取りたいときに選ばれる万能型の紙です。
そして、上質紙。
コート剤を塗布していないため、手ざわりが柔らかく、紙そのものの温もりが感じられます。
最大の特長は“書きやすさ”。
油性ペンや鉛筆、シャープペンなど、どんな筆記具でも滑らかに書けるため、実用性を求めるオフィスカレンダーやスケジュール管理向きのタイプです。
印刷の発色はやや落ち着きますが、その分ナチュラルで誠実な印象を与えます。
事務所や教育関係、金融・保険など、信頼感を重視する業種で多く採用されています。
このように、紙質は「見た目の美しさ」と「使いやすさ」を決める重要な要素です。
写真や色を引き立てたいならコート紙、落ち着いた高級感を出したいならマット紙、書き込みを重視するなら上質紙。
用途や目的に合わせて選ぶことで、カレンダーの魅力はぐっと引き立ちます。
お客様の手に届いたその瞬間、質感の違いは確かに伝わります。
印刷の仕上がりや紙の手ざわりが“企業の姿勢”を語る――。
名入れカレンダーは、ただの販促物ではなく、ブランドを映す“第一印象”のツールです。
次にカレンダーを作るときは、デザインだけでなく、ぜひ「紙選び」も意識してみてください。
その一枚が、企業の魅力をより深く印象づけるきっかけになるはずです。